黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
最終章 結婚、しよう
その日、私は特別休暇をもらい所長の別荘へ向かう前に、晴貴さんの実家に寄っていた。
別荘まで行く途中にあるので、この機会に挨拶へ行こうとなったのだ。

晴貴さんの実家はごく普通の家で安心した。
ただ、中は手すりなどがつけてあり、完全にバリアフリーになっている。

「父は脳梗塞になって右足が少し不自由なんだ。
それで思い切ってリフォームさせてもらった」

晴貴さんは説明してくれたが〝させてもらった〟ってもしかして、彼がお金を出したのかな。
なんか、そうな気がする。
そのほうが彼らしいし。

「晴貴くんのお父さんです」

「母です」

ご両親はとても人のよさそうな方だった。
お父さんは小柄でにこにこ笑っている。
お母さんはすらっとしていていかにもキャリアウーマンって感じだ。
晴貴さんはお母さんに似たのだろう。

「は、晴貴さんとお付き合いさせていただいている、夜桜夏初、です!
ふつつか者ですが、よろしくお願いします!」

緊張でガチガチになりながら頭を下げる。

「ふふっ、夏初。
それ、お嫁に来たみたいだよ」

晴貴さんの指摘でみるみる顔が熱くなっていく。

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