黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
年配社員がいつまでも昭和感覚で困るとか、お局様が口うるさくて嫌とか、ふたりが愚痴っている横でたまに相づちを打ちながら、お皿の上のものを片付けていく。
「そだ」
唐突になにかに思いついたかのように篠木さんが明るい声を出し、味噌汁を啜りかけて止まった。
「今日、パーティがあるんだけど夜桜も来ない?
鳥越と別れたんなら問題ないでしょ」
さもそれがいい考えのように彼女はうんうんと頷いている。
「え、それって合コンとかそんなの?
無理無理、そんなとこ行ったってコイツに彼氏とかできるはずがない。
だってこんなに地味、なんだぞ?」
行儀悪く箸で私を指し、鳥越くんは〝地味〟とことさら強調した。
瞬間、味噌汁の水面が揺れる。
「こんな地味女と付き合ってやるような優しい男、オレくらいしかいないって」
自信満々に頷き、彼が唐揚げを口に放り込む。
口をつけかけたお椀をトレイに戻し、私は微妙な笑みを顔に貼り付けた。
彼の言うことも確かに一理、ある。
長い黒髪をひとつ結び、化粧も薄く、私服もおとなしいものばかりで、大多数の〝モテる条件〟には当てはまらない。
「そだ」
唐突になにかに思いついたかのように篠木さんが明るい声を出し、味噌汁を啜りかけて止まった。
「今日、パーティがあるんだけど夜桜も来ない?
鳥越と別れたんなら問題ないでしょ」
さもそれがいい考えのように彼女はうんうんと頷いている。
「え、それって合コンとかそんなの?
無理無理、そんなとこ行ったってコイツに彼氏とかできるはずがない。
だってこんなに地味、なんだぞ?」
行儀悪く箸で私を指し、鳥越くんは〝地味〟とことさら強調した。
瞬間、味噌汁の水面が揺れる。
「こんな地味女と付き合ってやるような優しい男、オレくらいしかいないって」
自信満々に頷き、彼が唐揚げを口に放り込む。
口をつけかけたお椀をトレイに戻し、私は微妙な笑みを顔に貼り付けた。
彼の言うことも確かに一理、ある。
長い黒髪をひとつ結び、化粧も薄く、私服もおとなしいものばかりで、大多数の〝モテる条件〟には当てはまらない。