黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「え、嫌よ」
まったく悩まず篠木さんが即答し、鳥越くんの肩ががっくりと落ちた。
「私はセレブな男としか付き合わないの。
鳥越もこんな会社じゃなくて一流企業に勤めてるんなら、考えてやらなくもないけど」
「ううっ。
転職して見返してやる……」
鳥越くんは恨みがましそうに篠木さんを睨んだが、どっちもどっちだ。
年配社員がいつまでも昭和感覚で困るとか、お局様が口うるさくて嫌とか、ふたりが愚痴っている横でたまに相づちを打ちながら、お皿の上のものを片付けていく。
「そだ」
唐突になにかに思いついたかのように篠木さんが明るい声を出し、味噌汁を啜りかけて止まった。
「今日、パーティがあるんだけど夜桜も来ない?
鳥越と別れたんなら問題ないでしょ」
さもそれがいい考えのように彼女はうんうんと頷いている。
「え、それって合コンとかそんなの?
無理無理、そんなとこ行ったってコイツに彼氏とかできるはずがない。
だってこんなに地味、なんだぞ?」
行儀悪く箸で私を指し、鳥越くんは〝地味〟とことさら強調した。
瞬間、味噌汁の水面が揺れる。
まったく悩まず篠木さんが即答し、鳥越くんの肩ががっくりと落ちた。
「私はセレブな男としか付き合わないの。
鳥越もこんな会社じゃなくて一流企業に勤めてるんなら、考えてやらなくもないけど」
「ううっ。
転職して見返してやる……」
鳥越くんは恨みがましそうに篠木さんを睨んだが、どっちもどっちだ。
年配社員がいつまでも昭和感覚で困るとか、お局様が口うるさくて嫌とか、ふたりが愚痴っている横でたまに相づちを打ちながら、お皿の上のものを片付けていく。
「そだ」
唐突になにかに思いついたかのように篠木さんが明るい声を出し、味噌汁を啜りかけて止まった。
「今日、パーティがあるんだけど夜桜も来ない?
鳥越と別れたんなら問題ないでしょ」
さもそれがいい考えのように彼女はうんうんと頷いている。
「え、それって合コンとかそんなの?
無理無理、そんなとこ行ったってコイツに彼氏とかできるはずがない。
だってこんなに地味、なんだぞ?」
行儀悪く箸で私を指し、鳥越くんは〝地味〟とことさら強調した。
瞬間、味噌汁の水面が揺れる。