復讐のために近づいたのに、冷徹御曹司の溺愛から逃れられない
「だったら、構わない」

彼は背中を見せた。その姿がひどく冷静だった。

パーティーが終わりを告げると、御曹司達は目当ての令嬢と共に消えていく。

中には婚約者の人もいれば、今晩だけの恋人もいる。

「はぁ……」

張り切り過ぎたのか、私は椅子に座ってため息をついた。

今私は、社長令嬢として来ているのではない。

神城明哉の秘書として、参加しているのだ。

そのことが、ひどく疲労を誘った。

すると彼が私の隣に座った。

「今夜はよくやった。疲れただろう。部屋を用意してあるから、休んで行くといい」

私はチャンスだと思った。

神城明哉。彼を私に溺れさせるには、絶好の機会だ。

「ありがとうございます。案内していただけますか?」
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