復讐のために近づいたのに、冷徹御曹司の溺愛から逃れられない
しばらくして、社長室のドアが開いた。

「あら、いたんじゃない」

私の顔を見て、開口一番笑奈様は驚いた。

「初めまして。一条詩織と申します」

「ああ、もしかして秘書さん、変わったの?」

「はい。先週から配属になりました」

そう言うと、社長室のソファに笑奈様はちょこんと座る。

「明哉さんは?」

「会議に出席しておられます」

「ふぅーん」

見た目まだ若く見える。

神城明哉は、確か32歳だったはず。

まあ、親同士が決めた結婚に、年齢差なんて関係ないとは思うけれど。

私が時計を見ると、まだ会議が終わるまで数分ある。

「笑奈様は、珈琲は飲まれますか?」

「飲むけれど、ここの珈琲はブレンドだからいい」

確かに神城明哉は、珈琲の趣味が雑だ。

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