復讐のために近づいたのに、冷徹御曹司の溺愛から逃れられない

第2章 婚約者のいる彼と、越えてはいけない距離

それは、私が彼の秘書になって7日目の事だった。

受付からの内線が突然鳴った。

「笑奈様、ご来社です」

「笑奈様?」

初めて聞く名前に思わず聞き返してしまった。

「……社長の婚約者です」

神城明哉や婚約者。

確か、彼から婚約者が来た時はそのまま通すように言われている。

「お通し下さい」

「はい」

そう言って受話器を置くと、はぁっとため息をついた。

パーティーの夜。

私は彼と甘い一夜を過ごした。

あの優しい時と激しい時のギャップが、私にはたまらなかった。

だが彼の方は、特に何も言ってこない。

「神城明哉、手ごわいわね」

今まで体を許した男は、ことごとく私を追いかけ回したと言うのに。


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