復讐のために近づいたのに、冷徹御曹司の溺愛から逃れられない
翌日の朝。9時。

私は言われた通りに、オフィスビルのエントランスにやってきた。

周りを見渡したが、彼はいない。

「もしかして、騙された?」

その時だった。

「俺は騙してはいないぞ」

ドキッとしながら、後ろを振り返った。

「時間ぴったりだな」

「神城社長……」

彼は冷静な瞳で、私を見つめた。

「早速だが、俺に付いてきてくれ」

「はい」

彼の命令に聞き返すことはしない。

こちらも冷静に受け止めて、それに従う。

彼の一言一句を逃さない。

エスカレーターに乗ると、彼は少しだけ振り返った。

「秘書の経験は?」

「前職で3年、社長秘書をしていました」

「全く知らないわけではないのか」

「仰る通りです」
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