復讐のために近づいたのに、冷徹御曹司の溺愛から逃れられない
社長室を開けると、直ぐにデスクがあった。

「荷物はそこに置いて。そのデスクを使っていい」

「了解です。では、稟議書を取りに行って来ます」

「ああ」

社長室を出る時に、チラッと彼を見た。

椅子の後ろから外を眺める彼。

その後ろには、どれほどの嫉妬や羨望を背負っているのだろう。

エレベーターを使い、1階ごとにフロアを回っていく。

「稟議書を取りに伺いました」

「あれ?新しい秘書さん?」

気づく人は気づく。

役職が上になればなるほど、人の顔には敏感だ。

「はい。一条と申します」

「営業部長の遠藤です。宜しくお願いします」

一緒に頭を下げると、遠藤部長が後ろを振り返った。

「副社長、新しい秘書さんですよ」
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