復讐のために近づいたのに、冷徹御曹司の溺愛から逃れられない
「新しい秘書?」

振り返った副社長という人は、短髪の人だった。

「なんだ、神城の奴。俺に相談もなしに」

「申し訳ございません。昨日の今日ですから」

すると副社長は、私に手を差し出した。

「副社長の神空太だ。神城とは大学からの親友だ」

すると、遠藤部長がふっと笑う。

「それ、やっぱり言うんですね」

「当たり前だろ。あいつを分かっているのは、誰よりも俺だ」

私はおかしくて、笑ってしまった。

あの悪魔を一番知っている大学からの親友。

「何かおかしいか?」

「ええ。とっても」

だとしたら、あの悪魔がしでかした大罪も、この人は分かっているのだろうか。

「その自信、ずっと続くといいですね」

そう言って私は、営業部を離れた。

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