黒魔術の使い手ですが何か?! 死に戻り王太子妃は今世ではもふもふ精霊と一緒に楽しく暮らしたい
「オーロラ!」
「わかるのか?」
「はい。わかります。血は水よりも濃いといいますから」
父が驚愕したように目を見開いている。
七歳の女の子がこんな諺を言うことに驚いたようだ。
しかもパン屋で育った平民の子がだ。
前世では何も知らない平民の女の子だった。
だけど、そのあと死ぬほどの努力をして勉強したのだ。
人生二度目を舐めないでほしい。
「お父様は貴族様ですね」
「いかにも」
「わたしがお父様と一緒に行けば何かいいことがありますか?」
父はにやっと笑った。
「将来は国の妃にしてやろう」
オーロラは胸を張りそしてにっこり笑った。
「いいですね」
そして母のベラの方へとゆっくり体を向ける。
「お母様。わたしお父様と行きます」
「え?オーロラ?」
母の焦った顔。
まさか娘がこんなことを言うとは思わなかったのだろう。
だが、心を鬼にしなくては。
「だって、お妃様になりたいもの」
母はもう絶句してしまったのか何も言えないようでひたすら目を大きく見開いている。
「平民として一生を終えるのは嫌です。わたしお父様と行きます」
オーロラは父の前に出ると腰を折った。
何度も練習したカーテシー。今はもう何の苦もなくできる。
店にいた客をはじめ、母のベラは息をのんでいる。
目の前の父もここまでできるとは思っていなかったに違いない。
さらに驚愕の表情をしてしばらく固まっていた。
「そなた、オーロラと言ったな」
「はい」
「その挨拶はどこで習ったのだ?」
「隣町にいらっしゃるマダムに教わりました。いつもお母様の焼いたクロワッサンを届けていたんです」
「なるほど」
納得したようだ。
「お母様の焼くクロワッサンは絶品です。ですよね?皆様」
客の方へ振り向くと、客たちは無言のままコクコクと頷いた。
そして母のベラの方へと体を向ける。
「お母様のお店はこの街からなくなるわけにはいきませんからわたしひとりで行きます」
「オーロラ!」
母の叫びが聞こえたが、オーロラはそのまま踵を返し、父の方へと向きなおると、差し出されていた手をとった。
「では参るぞ」
「オーロラ!待って!」
母の叫びが聞こえていたがオーロラは心を鬼にして目の前に停まっていた豪奢なグッドフェロー公爵家の馬車に乗り込んだ。
「なかなか風格があるな。この馬車に乗っていても見劣りはしない」
父が横で満足そうに目を細めている。
「お父様。一緒に行くにあたってひとつだけお願いがあります」
「なんだ?言ってみろ」
上機嫌のうちに言っておかなければならない。
「これからわたしは必死に勉強して王太子妃になってみせます。ですからどうか母がこの街でずっとパン屋を続けられるようにしてください。お願いします」
そう言って頭を深く下げると、父は「ふんっ」と鼻を鳴らした。
「母が大事か」
「はい」
「わかった。お前の母にはルヴィエ王国との戦争のときに世話になった恩もある。何も手を出さないから安心しろ」
よかった。言質をとれた。
父には今王太子妃にできる年頃の娘である自分が必要なのだ。
これで母は死なずに済んだ。
本当によかった。
母に会えないのは残念だけど、母には生きてほしい。
ベラのパン屋で活き活きと働く母がオーロラは好きだから。
「ありがとうございます」
オーロラは頭をさげた。
さぁ、はじまる。
王都ダノンソードでの地獄のような生活。
だけど、絶対前世のようにはしない。
うまく立ち回り、傷ついた人や死んでしまった人達を皆助ける。
それが回帰した自分にできることだから。
「わかるのか?」
「はい。わかります。血は水よりも濃いといいますから」
父が驚愕したように目を見開いている。
七歳の女の子がこんな諺を言うことに驚いたようだ。
しかもパン屋で育った平民の子がだ。
前世では何も知らない平民の女の子だった。
だけど、そのあと死ぬほどの努力をして勉強したのだ。
人生二度目を舐めないでほしい。
「お父様は貴族様ですね」
「いかにも」
「わたしがお父様と一緒に行けば何かいいことがありますか?」
父はにやっと笑った。
「将来は国の妃にしてやろう」
オーロラは胸を張りそしてにっこり笑った。
「いいですね」
そして母のベラの方へとゆっくり体を向ける。
「お母様。わたしお父様と行きます」
「え?オーロラ?」
母の焦った顔。
まさか娘がこんなことを言うとは思わなかったのだろう。
だが、心を鬼にしなくては。
「だって、お妃様になりたいもの」
母はもう絶句してしまったのか何も言えないようでひたすら目を大きく見開いている。
「平民として一生を終えるのは嫌です。わたしお父様と行きます」
オーロラは父の前に出ると腰を折った。
何度も練習したカーテシー。今はもう何の苦もなくできる。
店にいた客をはじめ、母のベラは息をのんでいる。
目の前の父もここまでできるとは思っていなかったに違いない。
さらに驚愕の表情をしてしばらく固まっていた。
「そなた、オーロラと言ったな」
「はい」
「その挨拶はどこで習ったのだ?」
「隣町にいらっしゃるマダムに教わりました。いつもお母様の焼いたクロワッサンを届けていたんです」
「なるほど」
納得したようだ。
「お母様の焼くクロワッサンは絶品です。ですよね?皆様」
客の方へ振り向くと、客たちは無言のままコクコクと頷いた。
そして母のベラの方へと体を向ける。
「お母様のお店はこの街からなくなるわけにはいきませんからわたしひとりで行きます」
「オーロラ!」
母の叫びが聞こえたが、オーロラはそのまま踵を返し、父の方へと向きなおると、差し出されていた手をとった。
「では参るぞ」
「オーロラ!待って!」
母の叫びが聞こえていたがオーロラは心を鬼にして目の前に停まっていた豪奢なグッドフェロー公爵家の馬車に乗り込んだ。
「なかなか風格があるな。この馬車に乗っていても見劣りはしない」
父が横で満足そうに目を細めている。
「お父様。一緒に行くにあたってひとつだけお願いがあります」
「なんだ?言ってみろ」
上機嫌のうちに言っておかなければならない。
「これからわたしは必死に勉強して王太子妃になってみせます。ですからどうか母がこの街でずっとパン屋を続けられるようにしてください。お願いします」
そう言って頭を深く下げると、父は「ふんっ」と鼻を鳴らした。
「母が大事か」
「はい」
「わかった。お前の母にはルヴィエ王国との戦争のときに世話になった恩もある。何も手を出さないから安心しろ」
よかった。言質をとれた。
父には今王太子妃にできる年頃の娘である自分が必要なのだ。
これで母は死なずに済んだ。
本当によかった。
母に会えないのは残念だけど、母には生きてほしい。
ベラのパン屋で活き活きと働く母がオーロラは好きだから。
「ありがとうございます」
オーロラは頭をさげた。
さぁ、はじまる。
王都ダノンソードでの地獄のような生活。
だけど、絶対前世のようにはしない。
うまく立ち回り、傷ついた人や死んでしまった人達を皆助ける。
それが回帰した自分にできることだから。