黒魔術の使い手ですが何か?! 〜死に戻り王太子妃は今世ではもふもふ精霊と一緒に楽しく暮らしたい
そういうことか。
白魔術の覚醒は、人間の心を操ることなのだ。
心を操り本来は不幸な心を幸福な心に置き換えていく。
それが白魔術の覚醒。
だが、ノエルはそれをオーロラを害するために使った。
本来は不幸に打ちのめされ、自殺する寸前くらいの精神の人間の心に幸せを思い出させるための施術なのだろう。身体だけでなく心も癒せる。そんな覚醒をノエルは悪に使ったのか。
対象者が不幸な人間であることが必要で、この男が母親と妹を誰かに殺された男だと知っていたからこの男を使ったのだ。
そしてその不幸を幸福に導くために標的に攻撃させるのだ。
憎む感情を増幅させ、標的を殺すよう仕向ける。
エンジェルも前世では母を殺され公爵家を憎んでいた。
その心をオーロラに向けさせたのだ。
どうすればいいのだろう?
どうすればこの男の憎しみの心を断ち切れる?
男がだんだん近づいてくる。
そしてついにオーロラの肩を持った。
「きゃ」
「返せ。母ちゃんを返せ。妹を返せ」
と、入り口からもうひとり人が入ってきた。
「ノエル!」
前世で見たノエルからは想像のつかないどす黒い笑みを浮かべている。
空色の瞳が濁って見える。
あなたは悪魔になったの?
天使だったのじゃないの?
「さぁ。奴隷よ。この女を凌辱するのよ」
「なっ!」
男はノエルの言葉に動かされ襲ってくる。
「この女がお前の母親と妹を殺したのよ」
「やめ……」
ノエルの言葉に迷いなく従うその奴隷がオーロラを押し倒した。
ドスンと押し倒されたのはウォルターのベッドだ。
「いやー!!!」
心の限り叫んだ。
「ウォルター殿下。助けて!」
「そんなこと言ったって殿下が来るわけ……」
「オーロラ!」
そのとき扉がバタンと開き、入ってきたのはウォルターだった。
状況を見て、男をひと蹴りで突き飛ばした。
「誰に対する狼藉かわかっているのか!」
そして腰に帯刀していた刀の鞘を抜く。
「殿下。おやめに」
「オーロラ。この者は……」
「わかっています。けれど操られているだけです」
「え?」
「ノエルに」
「なんだと?」
ウォルターの登場に固まっていたノエルはわなわなと震えている。
「ど、どうして?」
「どうしてなのよ!ウォルター殿下っ!」
ノエルは泣き叫ぶようにして顔をあげた。
ウォルターに突き飛ばされた大男は床で気絶してしまっている。
改めてウォルターの力に驚くばかりだ。
「何を言っている」
ウォルターの顔は今まで見たことがないくらい厳しかった。
「お前が白魔術の使い手なのは認めよう。もしかしたらかつては癒しの力があったかもしれないこともだ。だが、おそらく覚醒して、不幸な人間の心を操るという暴挙に出たことは許せない」
ウォルター。そこまでわかっていたのね。
「ど、どうしてそれを?」
「俺は小さいころの経験から魔術についてはかなり勉強した人間だ。学びつくしているからな」
オーロラの魔力について調べたのだろう。光の魔力の持ち主だったウォルターにはあの治療の際の黒い光は見えていたのかもしれない。
「そんな……」
「お前の両親が血水症菌をばらまいていたことも許せるものではない」
「え?それは……」
「捕らえよ」
ウォルターの護衛騎士たちがノエルの手に縄をかけた。
伸びている男についてもぐるぐる巻きにして連れていく。
部屋にはウォルターとオーロラだけになった。
白魔術の覚醒は、人間の心を操ることなのだ。
心を操り本来は不幸な心を幸福な心に置き換えていく。
それが白魔術の覚醒。
だが、ノエルはそれをオーロラを害するために使った。
本来は不幸に打ちのめされ、自殺する寸前くらいの精神の人間の心に幸せを思い出させるための施術なのだろう。身体だけでなく心も癒せる。そんな覚醒をノエルは悪に使ったのか。
対象者が不幸な人間であることが必要で、この男が母親と妹を誰かに殺された男だと知っていたからこの男を使ったのだ。
そしてその不幸を幸福に導くために標的に攻撃させるのだ。
憎む感情を増幅させ、標的を殺すよう仕向ける。
エンジェルも前世では母を殺され公爵家を憎んでいた。
その心をオーロラに向けさせたのだ。
どうすればいいのだろう?
どうすればこの男の憎しみの心を断ち切れる?
男がだんだん近づいてくる。
そしてついにオーロラの肩を持った。
「きゃ」
「返せ。母ちゃんを返せ。妹を返せ」
と、入り口からもうひとり人が入ってきた。
「ノエル!」
前世で見たノエルからは想像のつかないどす黒い笑みを浮かべている。
空色の瞳が濁って見える。
あなたは悪魔になったの?
天使だったのじゃないの?
「さぁ。奴隷よ。この女を凌辱するのよ」
「なっ!」
男はノエルの言葉に動かされ襲ってくる。
「この女がお前の母親と妹を殺したのよ」
「やめ……」
ノエルの言葉に迷いなく従うその奴隷がオーロラを押し倒した。
ドスンと押し倒されたのはウォルターのベッドだ。
「いやー!!!」
心の限り叫んだ。
「ウォルター殿下。助けて!」
「そんなこと言ったって殿下が来るわけ……」
「オーロラ!」
そのとき扉がバタンと開き、入ってきたのはウォルターだった。
状況を見て、男をひと蹴りで突き飛ばした。
「誰に対する狼藉かわかっているのか!」
そして腰に帯刀していた刀の鞘を抜く。
「殿下。おやめに」
「オーロラ。この者は……」
「わかっています。けれど操られているだけです」
「え?」
「ノエルに」
「なんだと?」
ウォルターの登場に固まっていたノエルはわなわなと震えている。
「ど、どうして?」
「どうしてなのよ!ウォルター殿下っ!」
ノエルは泣き叫ぶようにして顔をあげた。
ウォルターに突き飛ばされた大男は床で気絶してしまっている。
改めてウォルターの力に驚くばかりだ。
「何を言っている」
ウォルターの顔は今まで見たことがないくらい厳しかった。
「お前が白魔術の使い手なのは認めよう。もしかしたらかつては癒しの力があったかもしれないこともだ。だが、おそらく覚醒して、不幸な人間の心を操るという暴挙に出たことは許せない」
ウォルター。そこまでわかっていたのね。
「ど、どうしてそれを?」
「俺は小さいころの経験から魔術についてはかなり勉強した人間だ。学びつくしているからな」
オーロラの魔力について調べたのだろう。光の魔力の持ち主だったウォルターにはあの治療の際の黒い光は見えていたのかもしれない。
「そんな……」
「お前の両親が血水症菌をばらまいていたことも許せるものではない」
「え?それは……」
「捕らえよ」
ウォルターの護衛騎士たちがノエルの手に縄をかけた。
伸びている男についてもぐるぐる巻きにして連れていく。
部屋にはウォルターとオーロラだけになった。