黒魔術の使い手ですが何か?! 〜死に戻り王太子妃は今世ではもふもふ精霊と一緒に楽しく暮らしたい
◇
それからの王都はあわただしかった。
オーロラを秘密裏に連れて帰還したウォルターは、まずとらえてきたハートリー一家を牢に入れ、そしてグラント王子以下、ユリア王妃、そしてオズワルド公爵家の逮捕に踏み切った。
全力で拒否したようだが、奴隷オークションを主導したことは明白、さらにユングの実の毒を使ってセシル王妃の殺害を試みたことも使用人の証言で明らかになった。公爵家の使用人たちも証人となり罪に罪を重ねた公爵家、ユリア王妃にグラント王子はは今後裁判にかけられることが決まった。
そのほかにも奴隷オークションに関わっていた一家も裁判が行われる予定だ。
ソードノーズ始まって以来の貴族及び王族の不祥事事件となるだろう。
王家も絡んでいるだけに民衆の信頼にも関わる。
国王は頭の痛いことだろう。
そんな中、国境の街から帰るとすぐにオーロラはノエルのところに出向いた。
地下牢は排泄物やカビの匂いが充満しておりとてもではないが長くいれるような場所ではないとオーロラは思ったが、その中にノエルは生気のない顔をしてひとり座っていた。
「ノエル」
呼ぶとゆっくりと顔を向ける。
ピンクの美しい髪は薄汚れ、水色の瞳はくすんで灰色に見える。
頬はやせこけ、かつての可憐さはどこにもなかった。
「何をしに来たの?」
「あなたはウォルター殿下を愛しているでしょう?」
そう。どうしても確かめたかった。
ノエルはぴくっと眉を動かし目を細める。
「そんなわけ」
「愛しているわ。わかるの」
そう言うとノエルはうつむいた。
ポタリ涙が地面に落ちる。
「そうだったら何?」
大きく言うとまた顔を上げる。
顔は涙で濡れている。
「あなたはいいわよね。ずっと殿下の愛を受けているから」
「何を言っているの。あなたは前世では殿下と愛し合っていたじゃない」
オーロラが搾り取るように言うと、ノエルは一瞬止まってから狂ったようにケラケラケラと笑った。
「な、」
「ばかじゃないの?勝手に思っていればいいけど」
そして突然静かに言う。
「愛していた。小さい頃にハートリー領にいらしたことがあるの」
「え?」
「その時、まだ毒に侵されていなかった時、野犬に追われていたわたしを助けてくださったの。父や母に虐待されていたからすごく嬉しくって」
え?虐待?
「でも、殿下は覚えておられなかった。それは前世も同じ。前世では殿下が毒に侵されていたからわたしが助けることで愛を得た気になっていたの」
「知ってる?あなたが死んだと聞いて殿下は狂ったように泣き続けていたのよ。他の男と逃げたってずっと言いふくめて来たのにね」
え?
ウォルターは死んだと言っていなかった?
「殿下は亡くなったのではなかったの?」
「亡くなったと見せかけただけよ。わたしがグラント王子に王太子を譲るから身を隠すと言ってハートリー領の奥に籠っていたの」
そんなことを……。
知らなかった。
何もかもめちゃくちゃだ。
それからの王都はあわただしかった。
オーロラを秘密裏に連れて帰還したウォルターは、まずとらえてきたハートリー一家を牢に入れ、そしてグラント王子以下、ユリア王妃、そしてオズワルド公爵家の逮捕に踏み切った。
全力で拒否したようだが、奴隷オークションを主導したことは明白、さらにユングの実の毒を使ってセシル王妃の殺害を試みたことも使用人の証言で明らかになった。公爵家の使用人たちも証人となり罪に罪を重ねた公爵家、ユリア王妃にグラント王子はは今後裁判にかけられることが決まった。
そのほかにも奴隷オークションに関わっていた一家も裁判が行われる予定だ。
ソードノーズ始まって以来の貴族及び王族の不祥事事件となるだろう。
王家も絡んでいるだけに民衆の信頼にも関わる。
国王は頭の痛いことだろう。
そんな中、国境の街から帰るとすぐにオーロラはノエルのところに出向いた。
地下牢は排泄物やカビの匂いが充満しておりとてもではないが長くいれるような場所ではないとオーロラは思ったが、その中にノエルは生気のない顔をしてひとり座っていた。
「ノエル」
呼ぶとゆっくりと顔を向ける。
ピンクの美しい髪は薄汚れ、水色の瞳はくすんで灰色に見える。
頬はやせこけ、かつての可憐さはどこにもなかった。
「何をしに来たの?」
「あなたはウォルター殿下を愛しているでしょう?」
そう。どうしても確かめたかった。
ノエルはぴくっと眉を動かし目を細める。
「そんなわけ」
「愛しているわ。わかるの」
そう言うとノエルはうつむいた。
ポタリ涙が地面に落ちる。
「そうだったら何?」
大きく言うとまた顔を上げる。
顔は涙で濡れている。
「あなたはいいわよね。ずっと殿下の愛を受けているから」
「何を言っているの。あなたは前世では殿下と愛し合っていたじゃない」
オーロラが搾り取るように言うと、ノエルは一瞬止まってから狂ったようにケラケラケラと笑った。
「な、」
「ばかじゃないの?勝手に思っていればいいけど」
そして突然静かに言う。
「愛していた。小さい頃にハートリー領にいらしたことがあるの」
「え?」
「その時、まだ毒に侵されていなかった時、野犬に追われていたわたしを助けてくださったの。父や母に虐待されていたからすごく嬉しくって」
え?虐待?
「でも、殿下は覚えておられなかった。それは前世も同じ。前世では殿下が毒に侵されていたからわたしが助けることで愛を得た気になっていたの」
「知ってる?あなたが死んだと聞いて殿下は狂ったように泣き続けていたのよ。他の男と逃げたってずっと言いふくめて来たのにね」
え?
ウォルターは死んだと言っていなかった?
「殿下は亡くなったのではなかったの?」
「亡くなったと見せかけただけよ。わたしがグラント王子に王太子を譲るから身を隠すと言ってハートリー領の奥に籠っていたの」
そんなことを……。
知らなかった。
何もかもめちゃくちゃだ。