闇深兄の溺愛 〜甘いデザートには、一滴の毒を〜
少し着崩したシャツに、
透け感のあるアッシュブロンドの髪。
颯の「静」の格好良さとは正反対の——
「陽」のオーラしか感じない人だった。
「は、はい……」
「昨日のガイダンスの時いたよね? 俺も今から教室行くところだから、行こ?」
その屈託のない笑顔に
安心してしまった私は、そのまま彼についていった。
(「知らないやつについて行くな」ってさっき颯に言われたばっかりだけど……同じ学科の同級生だし、大丈夫だよね)
自分に言い聞かせていると、
少し前を歩く彼がこちらを振り返る。
「俺、上城 碧。よろしくね」
「あ、篠原……美桜です」
「美桜ちゃん?」
「あ、はい……」
すると、
碧くんがにこりと微笑んだ。
「可愛いね」
「!?」
不意打ちすぎて心臓が飛び跳ねる。
(え、可愛いって何!?名前がだよね……!!)
自然にパーソナルスペースに
入り込んでくる彼。
だけどその初対面と感じさせない
気さくさと、明るくてまっすぐな笑顔に、
どこか惹かれてしまう自分がいた。
私は、そんな彼の頼もしい
背中を追うようにして教室へと急いだ——