おれが、おまえを、可愛くしてやる。

◇#20. I'm home.

 これ以上に幸せな日曜日をわたしは知らないのではないか。ホテルを出ると一緒にわたしのアパートに、荷物を取りに戻り、電車に乗って銀座で降りると一旦コインロッカーに荷物を預け、……婚約指輪を買いに行った。

「一緒に一度のものだから」と蓮二は語る。「仮にすぐに入籍するとしても、ちゃんと……渡しておきたいんだ」

 幸いにして気に入ったデザインの在庫があったので。爪が立っていて大きなダイヤがついているの。うおお。……ってびっくりするくらいの金額なんだけどいいのかな。大丈夫なのかな。と不安に思っていたら、蓮二が、

「おれって節約するところはとことん節約してるの。こんくらい……格好つけさせて?」

 それから花見町に移動し(一週間程度の荷物の入ったキャリーケースは蓮二が運んでくれた)、とても見晴らしのいい公園へと行くと。ちょっと待ってて、と言われて本当に待っていたら……蓮二は。大きな池の前の場所に来るといきなりわたしの前で跪き、

「改めて。……椎名望海さん。ぼくと……結婚してください」
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