おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 なんだわたしだけ結婚式出席時のドレスだとあれだから、ってことでさらりとしたワンピースを買って着替えたんだけど蓮二が結婚式出席時と同じ素敵な礼装に身を包むのはそのせいだったのか。笑みと共に、わたしは、

「はい。喜んで」

 そして、ポケットから出した指輪ケースを出して、ぱかっ、と蓋を開く。……と、まばゆいばかりの輝きがそこにはあった。あなたの目と同じくらいに美しい輝きを放つ宝石だ。

 そして、立ち上がった蓮二にそっと指輪を嵌められて想いを確かめ合う瞬間以上に幸せな瞬間などないと、思っていたのに。――幸せには天井がないのだと悟った。

 久しぶりに蓮二のマンションに入る……と、

(蓮二の匂いがする……)

 きゅっ、と胸が切なくなった。気持ちが乱れた時間もあっても、この、60平米の空間には、わたしたちの愛と思い出がぎゅっと詰まっている。このあまい痛みでさえも、……幸せ。

 洗面所で手洗いうがいを済ませ。荷物を運んでくれた蓮二に礼を言う。「ありがとう蓮二。……色々と、してくれて……」
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