おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 あと、加藤くんに連絡しました。『おめでとうございます』とのことでした』

 ……気の回る山口らしいメールだった。おれは、すぐさま電話をする。「……山口くんか? すまないな。忙しい所を、色々と気遣って貰って……こころから礼を言う」

『いえいえとんでもないです』と山口くんの弾んだ声。『むしろ、……あたしが余計なことしちゃったせいでお二人のことが……ってああもう、悲しい話はナシにしましょう。とにかく嬉しいです。あたし。お二人がうまくいって……』

「感謝しているのはおれのほうだ。……ありがとう山口くん。今度また、機会があったら望海と遊んでやってくれ。あいつにはきみが必要だ。……じゃあな。忙しい所を悪かった」

『いえ。では、……また』

「ああ。また明日な」

 と電話を切る。結婚すると休暇が貰えるのだが、山口くんは、結婚式直後には取得せず、いずれ、新婚旅行に行くつもりで、そのときに使い切ると語っていた。せっかくだからヨーロッパに行っておきたい、と。おおいいじゃないかと言っておいた。確かに、時差が大きく移動距離も長いヨーロッパには、こうした機会でもなければ行けないものだ。
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