おれが、おまえを、可愛くしてやる。

◇#22. 幸福の上限

「色々とありがとう……麗奈」

 週明けのランチタイム。せっかくなのでと、会社の近くのカフェにてお食事をしている。……会社ではしづらい話もあるので。

 わたしが頭を下げると、おめでとう、と麗奈は表情を緩ませる。

「望海が好きなひとと幸せになれて本当によかった……。ずっと気になってたからさ……。望海はあたしに気を遣って、あんまり浅葱さんの話はしなかったけどさ。好きなのは丸わかり、だったからさ」

「うん。……麗奈のお心遣いのおかげで、最高のバースデーになったよ」

「気になってるんだけど望海。そのネックレス……」

「あはい」と笑ってわたしは婚約指輪をペンダントトップにしたのを掲げた。指にはめると露骨かなと思って。「無事、……プロポーズされまして。へへへ。ごめんね言ってなくって。こういうのはやっぱ直接――」

 言いかけた言葉が止まった。はらり、はらり……と、麗奈の目から綺麗な涙が落ちたからだ。

「あちょ……っ、ごめんごめん麗奈。本当……わたしたちのこと、気にかけていてくれたんだよね……ありがとう」

「……うん。なんか、……感極まって。ごめんね」
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