おれが、おまえを、可愛くしてやる。

◇#23. Tender

「しっかし望海。元々綺麗だったのが更に、美しさに磨きがかかったよな」

 風呂上がりにからだを拭いているとそんなことを言われる。……平日はわたしに気を遣ってか、別々にお風呂に入っているが(蓮二がわたしに先を譲る)、本当は、蓮二は、一緒に入りたいらしい。風呂上がりにうっかり、足音を立てずにリビングに行ってみると、『あああ……望海が風呂に入っていると思うと……うあああ』とぶつぶつ言っていたので微笑ましくってそっとその場を離れたのだ。――で。平然と歯磨きをし、口をゆすぐあなたが面白かったりする。

「まぁね」なんて言ってサラツヤの髪を後ろに流してみる。「蓮二のことが好きだから……そんな自分を大切にしたいなぁ、って思って、自分磨きも頑張ったつもり」

「だよなー」

「わ」と後ろから抱きつかれる。ってわたしまだ、裸なんですけど。「ちょっと……お手入れがまだ……」

 鏡のなかの蓮二と目が合う。絵画のように美しき光景。悪魔でも魅入られてしまうくらいに。

「じゃあ……ベッドでおれがしてあげよう」

「えっ」
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