おれが、おまえを、可愛くしてやる。

◆#03. 浅葱蓮二、滾る。

 おっ豚のレバーがグラム68円だ。安い。さっきもやしが29円だったがいつものスーパーだったら10円かもしれないな……どうすっかな……はしごすっか。

 というか、なんでおれ、レバニラ作る気満々なんだ。――あいつが。椎名《しいな》が。

『椎名林檎もとい椎名望海(のぞみ)でーす! 好きな食べ物はレバニラ炒めです! よろしくお願いしまーっす!!』

 ……あんなこと言うから。ふ、と笑える。……二十代のぴっちぴちの女の子がなんで……レバニラ……。

 ――普通男受け狙いでそこはパフェとか言うだろ。

「くっ」

 ああいかん。思い出し笑いをしてしまう。あいつのことになると妙に調子が狂う。事実、あのとき誘われたのだって……ひょっとしたら、会社の部下でなければ乗っていたかもしれない。おれってそんなに――あいつに倫理観を諭すほど偉い人間でもなんでもないんだよ。すまんな椎名。――しかし。

(椎名林檎とはまた……ハードルあげてきたな……)

 くっくと笑う。そして、結局豚レバーももやしもついでにやっぱりニラも買ってしまった。今日はこれになめこと豆腐の味噌汁と行こう。疲れたときには味噌汁が実に染みる。
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