おれが、おまえを、可愛くしてやる。
 パーティーに、恋人と一緒に出席するという。わたしは……ふたりの幸せを祝ってあげよう。第三者として。当事者としてではなく。

 ――望海ちゃん、という、可愛い女の子。れんちゃんの過去を知らない……れんちゃんが一番大切にしている存在。

 何故だろう。れんちゃんが幸せになるのを望んでいたはずなのに。彼が……別の幸せを見つけたことに、胸の奥が焦げるような思いがするのはいったいなんなのだろう。

 啓とは順調だ。とはいえ、結婚しているとは名ばかりで、彼は、年の三分の一以上を、パリで過ごす。ファストファッションも手掛けるのに、自身のコレクション『ケイ・キタハラ』のデザイナーも務めているために大忙しだ。よって一年のうち三ヶ月を一緒に過ごせればよいほう。子どもなど考えられず……わたしも多忙で、韓国と日本を行ったり来たりの日々が続いているから。なんのために結婚しているのかな、と、寂しく思えることもある。……そして。
< 190 / 225 >

この作品をシェア

pagetop