おれが、おまえを、可愛くしてやる。
血が滾《たぎ》る。なんつーか、こいつ、真っ白いキャンバスみたいなんだよなぁ。何色にも染まってない。妙齢の女性で、自分の本当の美しさを分かっていないようでもどかしい。おれがこいつの姉貴なら、好きな食べ物はハーゲンダッツの抹茶味と言っておけと言うに違いない。なにかの拍子に男にお持ち帰りされた際に、うっかりコンビニで買ってもらえる可能性もなきにしもあらず、だからだ。そういう諸々を含めて、誰かを惚れさせるには、戦略が必要なのだ。――そのことをおそらくこいつは分かっていない。
「素材がいいのに……勿体ない……」
右を下にして眠るおまえの頬に髪がかかっていて、おれは、それを、触れて、顔を見えるようにしてやった。寝顔が可愛くてドキッとした。――ってなんだこれ。びりびりとして心臓が熱い――この感覚。嘘だろおい。
「素材がいいのに……勿体ない……」
右を下にして眠るおまえの頬に髪がかかっていて、おれは、それを、触れて、顔を見えるようにしてやった。寝顔が可愛くてドキッとした。――ってなんだこれ。びりびりとして心臓が熱い――この感覚。嘘だろおい。