おれが、おまえを、可愛くしてやる。

◇#02. 価値観がバグってる女

「いや、……ちょっと……待て。待て……」

 見れば、浅葱さんが顔を赤らめて、その大きな手で口を覆っていた。……ってどうしたーううん?

 ……そんなに赤面させること言ったっけ?

 とりあえず涙は止まった。

 はー、と、明らかに鍛え抜かれたからだを腰でやや折って、悩んでいる様子。「本気で……ちょっと待ておまえ……さっきのあれは、ジョークのつもりではなく、本気で。肉体関係から始まる恋へといざなっていたのか? おれを」

 ぶっ、とわたしは噴き出した。「いえいえ違います浅葱さん。盛大に勘違いしてますよ」

「……ふむ」

 目線の高さが合わないと気になるタイプらしい。結局ベッドに座ると、わたしを見据える浅葱さんに、

「さっきのはジョークというか。……浅葱さんになら一度抱かれてみたいと思ったんです」

「おま、それ、大問題だろ!!」

 ……と立ち上がられても。はて。どうしたものか。「……なにかわたし変なこと言ってます?」
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