玄関開けたら、異世界でした。

17

そんな関係も一歩進んだ私たちは、奈々実、ライナスと呼び方も変わって蛇族領地で平和に過ごしていた。

 ライナスの番になったからなのか、私の寿命も延びてしまったようで。

 私の外見の変化はあまり無い。





 しかし、この三十年で変わったことと言えばこの子たちに尽きる。



「ママ、パパ! 今日は何をするの?」



「まーまー!」



 そんな賑やかな声に、我が家は包まれている。



 ちょうど十五年前に、私は初めての子を産んだ。



 どんな出産になるか未知数だった、しかし周りが支えてくれたおかげで無事に私は三ヵ月の妊娠後卵を産んだのである。

 どうやら、私の妊娠は人間だけれど番のライナスに引っ張られるらしく、期間も短く卵で産んで、その後二ヵ月温めて、産まれるというパターンだった。

 二年前に産んだ子も含めてそのパターンで、二人の子が生まれて賑やかになった。



 ただ、産まれ方獣人族なのに成長は人に近く、十五年前に産まれた子はしっかり少年に、二年前の子もしっかり幼児である。

 卵から生まれたのに、人型なのである。

 ケイリーさんも不思議そうにしていたが、きっと蛇の子じゃ私が困るからなんだろうなとこの不思議には感謝している。



「そうねぇ、今日はパパとみんなで朝市に行きましょうか?」



 私の返事に子ども達は楽しげな声を上げて準備を始める。



「奈々実、無理はいけないよ」



 そんなライナスに私はニコニコと言う。



「確かに、もうすぐまた生まれるけれど、大丈夫よ。だって三人目だもの」



 そう、現在私は運のよいことに三人目を授かっている。

 一人目のあとになかなか出来なかったので、二人目と三人目が年が近くて嬉しい。



「でも、今度の子は初めての女の子だし」



 ライナスは魔力で卵として生まれる前から子どもの性別が分かる。

 今回は初めての女の子で私もお兄ちゃんたちも楽しみにしているのだ。

 しかも、ケイリーさんもロイスさんも孫が増えて幸せそうにしてくれる。



 獣人族同士は寿命が長いからなのか、子どもはせいぜい二人。

 しかも子ども同士が親子ほど違う兄妹も多いのだとか。



 こんなに短期間に子どもを産むのは、きっと私が落ち人だからだろうと言われた。



 王都にいる、竜族の王様の番であるまどかさんも、結構な短期間で産んでいたと聞くから。



 「大丈夫よ、この子いい子だもの」



 そんな私の返事にライナスは、少ししかめっ面になるものの、仕方ないという顔で一つため息をつくと私を抱えて歩き出した。



 「仕方ない。 いつだって、君のお願いは無視できないからね」



 これだけ抱えて歩くなら大丈夫でしょう?と思うんだけれどね。



 初めての妊娠の時は出産までライナスのとぐろの中で生活したのも、すでに懐かしい思い出だ。



 心配で、外に出せないと、文字通り囲い込んだライナスに私の初めてのことで従ってしまった。



 二度目からはそんなこともなくなったけれど。

 過保護で、心配性の溺愛旦那様なのは変わらない。

 少々行き過ぎるのも、ご愛敬? 



 そんな形で半引きこもりでも、幸せに暮らせているので私は幸せなんじゃないかなと思う。



 了
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