`未完の恋、指先で溶かして
『真紘の好きな女性に会った』
「え?」
『そう言われたわけじゃないけど、真紘がその女性現れた途端に同様するんだもん。私の前で焦る姿なんか見せたこともないのにさ』
真広は笑っていたけれど、その声はどこか痛々しく響いた。
好きな女性、と言い当てた時点で、相手は森山で間違いなかった。
俺は何も言わず、ただ真広の次の言葉を待つ。
『…でもさ、何か悔しくも、悲しくもならなかった。この人が好きな子なんだって思って、真紘の顔を見たら、私の時と違いすぎてそんな気も失せたし、それに…、私本当に真紘をもう好きじゃないんだって思ったんだ』
「好きじゃない?」
『…会って話したい』
そう言われ、モニターに映る仕事の進捗を確認する。急ぎの案件はもうないし、どうせこのまま残っていても指一本動かせそうにない。
思考の端で、俺は前回のことを思い出していた。
自分の弱さに負け、真広と肌を重ねたあの夜のこと。その後もなんだかんだといつも通り会話はできているけれど、気まずさがないわけじゃない。特に今は、俺自身が真広との関係に答えを出せずにいる時期で。
今会ったら、自分の感情が今度はどんな風に揺さぶられるのか。それが分からなくて、少し怖い。
だけど、ほんの少しだけ会いたいと願ってしまっている自分もいて、矛盾した思いは強まるばかりだった。
「………わかった。どこで会う?」
どこまでも意志が弱い自分に呆れつつ、真広にそう問いかける。
『…家に、行ってもいい?』
そんな聞き方をされて、ダメだなんて言えるわけがない。
俺は小さく溜息を吐いて、「わかった」と返事をした。
「え?」
『そう言われたわけじゃないけど、真紘がその女性現れた途端に同様するんだもん。私の前で焦る姿なんか見せたこともないのにさ』
真広は笑っていたけれど、その声はどこか痛々しく響いた。
好きな女性、と言い当てた時点で、相手は森山で間違いなかった。
俺は何も言わず、ただ真広の次の言葉を待つ。
『…でもさ、何か悔しくも、悲しくもならなかった。この人が好きな子なんだって思って、真紘の顔を見たら、私の時と違いすぎてそんな気も失せたし、それに…、私本当に真紘をもう好きじゃないんだって思ったんだ』
「好きじゃない?」
『…会って話したい』
そう言われ、モニターに映る仕事の進捗を確認する。急ぎの案件はもうないし、どうせこのまま残っていても指一本動かせそうにない。
思考の端で、俺は前回のことを思い出していた。
自分の弱さに負け、真広と肌を重ねたあの夜のこと。その後もなんだかんだといつも通り会話はできているけれど、気まずさがないわけじゃない。特に今は、俺自身が真広との関係に答えを出せずにいる時期で。
今会ったら、自分の感情が今度はどんな風に揺さぶられるのか。それが分からなくて、少し怖い。
だけど、ほんの少しだけ会いたいと願ってしまっている自分もいて、矛盾した思いは強まるばかりだった。
「………わかった。どこで会う?」
どこまでも意志が弱い自分に呆れつつ、真広にそう問いかける。
『…家に、行ってもいい?』
そんな聞き方をされて、ダメだなんて言えるわけがない。
俺は小さく溜息を吐いて、「わかった」と返事をした。