色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~
「どっから戻って来たんです!? 探したんですよ」
「無事ですか、マヒル様!!」
 トペニとバニラが同時に喋りだすので。
 一瞬、フリーズする。
「とりあえず、無事かな。ハハハ」
「良かった…マヒル様に何かあったら。わたくし、もう…」
 声が途切れたかと思えば。
 バニラが急に泣き出したので、「なんで泣くの!?」と言ってしまった。

「バニラさん。泣いているところ、すいませんが。太陽様に連絡してもらえますか?」
 トペニは落ち着いたのか、真顔になってバニラに言った。
「そうでしたわね。今すぐ、電話してきます!」
 バニラは人間とは思えない速度で家に戻って行く。
 よく、バレないよな…と思いながらトペニを見た。
「なんで、太陽様に連絡?」
「いやあ。急にいなくなるから、びっくりしたんですよ! あ、すんません。寒いんで中入りましょうか」
「あ、ええ。うん」
 私の質問は答えずにトペニは大きな目をぱちぱちさせながら言った。
 心なしかトペニもバニラもやつれて見えるのは気のせいだろうか。
「あの、私。どれくらいの間。いなかった?」
「え。昼くらいだから7~8時間じゃないっすか」
 どうぞと言ってトペニが玄関のドアを開けてくれた。

 一体、牢屋に閉じ込め。
 よくわかんない質問をしてきたあの騎士たちの目的は何?


つづく
< 51 / 51 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

色褪せて、着色して。Ⅵ~黒薔薇編~

総文字数/40,788

ファンタジー68ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【マヒル】 主人公。 金髪碧眼で美人。 ワケあって、王家の領地で暮らしている。 肩書は国王の寵姫で、ピアニスト。 【太陽】 マヒルの夫。 国家騎士団に所属。 仕事が忙しく、ほとんど家には帰らない。 マヒルとも、あまり顔を見合わせない。 【バニラ】 マヒルの侍女。 ピンク色の髪の毛に真っ赤な瞳。 家事を完璧にこなし、誰とでも仲良くなれる。
色褪せて、着色して。~番外編~

総文字数/30,943

ファンタジー49ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【スズメ】 国家騎士団頭脳班経理担当の騎士。 正義感が強く、曲がったことが嫌い。 自分がこうだと思ったら、猪突猛進。 【デイ】 国家騎士団肉体班シノビの騎士。 国王直属の部下。 【ナズナ】 秘密の館で働くお手伝いの少年。 騎士を目指していたが、ある理由で断念しまった。 お手伝いの少年達の中ではリーダー的存在。 みんなのまとめ役。賢い。
色褪せて、着色して。Ⅱ~悪役令嬢、再生物語~

総文字数/54,938

ファンタジー64ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「庶民として生活するならば、 貴女の容姿は生活に大きく影響するでしょう。だから」 「だから?」 「魔法をかけます」 婚約破棄を告げられ、 ティルレット王国へやって来たセシル。 自分が美人だとは自覚しているが、 その容姿だと目立つと言われ…。 なんで、私がオバサンにならなきゃいけないの!? 【エアー夫人(アリア・ミューゼス)←セシル・マルティネス】 18→19歳。スカジオン王国出身。玉の輿を狙って、元伯爵家のヒューゴと婚約したが、高校の卒業パーティーで婚約破棄を言い渡される。幼なじみのテイリーによって助けられ、単身でティルレット王国へやって来たのだが…? 【シナモン】 エアー夫人の侍女。エアー夫人とは友達のような信頼関係。 【イチゴ】 12歳。エアーの教え子。我儘で身勝手。 レッスンを真面目にやることはほとんどない。 【太陽】 20歳。イチゴの兄。普段は国家騎士団で働いているが、一時的に里帰り中。美男子で子供のような性格。困っている人を放っておけないお人好し。 【ナイト】 23歳。イチゴ・太陽の兄。エアー夫人の住むところの領主様。 【テイリー・マックス・スカジオン】 セシルの幼なじみ。婚約破棄をされたセシルを助けた。 【ヒューゴ&アミラ】 セシルの元婚約者とヒューゴの現在の婚約者

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop