再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
***


「さ、着いたよ」


 ロード様のエスコートで馬車を降りると、前回も来たドレスのお店が。


「いらっしゃいませ」

「彼女に似合う新作のドレスを見繕っていただきたいのですが……」

「かしこまりました!」


 もしかしてまた何着も試着を!?と身構えていたけれど、私が前回ここで買った時の記録が残っているらしく、同じサイズの物で揃えてくれたから試着の必要はなかったらしい。

 代わりに鏡越しにロード様がドレスを私に合わせてくれて、


「うん、これとこれと……あとこっちも。これも包んでいただきたい」


 次々にドレスを決めていってしまうから私がついていけない。


「今選んだドレスに合う小物も見せてもらえますか」

「はい、ご用意できております」


 その後も靴やアクセサリーまでロード様が選んでくれて、しかもそのどれもが私の好みど真ん中で驚いてしまう。


「じゃあ今選んだ全てを神殿へ送ってもらいたい。支払いはこちらに」

「かしこまりました」


 紋様を見せてスマートに支払いまで済ませたロード様は、


「よし、次に行こう」


 とその後もたくさんのお店に行って、神殿に入り切らないのではと思うくらいの量のプレゼントを買ってくれた。


「あ、あの。ロード様?」

「ん? どうした?」

「いくらなんでも、買いすぎでは?」

「そうか? こんなもんだろ」

「えぇ……?」


 私の常識では考えられないけれど、もしかしてこの世界ではこれが常識なのか……?

 確かに貴族の女性たちは一度着たドレスを二度は着ないと聞いたし、他の小物なんかもそうなのかもしれないけど。

 ダメだ、私はその常識についていけそうもない。

 さすがに目眩がしそうだと思い始めた時、


「そろそろ何か食べにいくか」


 と言ってくれて、ようやく買い物が終わったようで一安心した。

 ロード様おすすめの最近人気のスイーツのお店は、ドレスのお店のすぐ近くにあった。

 女性客やカップルで賑わっており、ロード様が予約してくれていたらしく私たちは一番奥の席に腰掛ける。

 注文したスイーツはまるでパンケーキのようで、ふわふわの生地にクリームとフルーツがたくさん乗っていてキラキラしていた。

 それを食べながら日本の価値観を伝えていると、ロード様は驚いた様子。
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