再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。

王様への謁見

「王様。お呼びでしょうか」

「うむ。ロード、セーラ殿。突然呼び立ててしまってすまないな」

「……いえ。ご挨拶が遅れて申し訳ございません。王様。セラ・イガラシでございます。大変ご無沙汰しております」

「久しぶりだな。セーラ殿。言葉が通じるようになったようで何よりだ」

「恐れ入ります」


 王様の御前に向かうと、先日よりも顔色が明るいお姿。

 ロード様と私は階段の下から王様を見上げ、話を待つ。


「時にロードよ。セーラ殿の魔力について、何かわかったことはあるか?」

「はい。神官のカイエンによると、聖女様はどうやら魔力を体内に留めておくことが非常に難しくなっているご様子です。聖女様のお身体の中で、うまく魔力が馴染まないのが理由ではないかと推測しております。そのため、しばらくは毎日魔力の譲渡が必要になるかと」

「そうか……」


 魔力が勝手に抜けていくのかと思っていたけれど、どうやら違うらしい。魔力が馴染むという感覚はよくわからないけれど、身体が軽く感じるのがそれなのだろうか。


「セーラ殿」

「は、はいっ」


 急に呼ばれて肩を揺らすと、王様がこちらをじっと見つめてくる。


「セーラ殿。まずは詫びさせてほしい。突然またこちらの世界に呼び立ててしまい、申し訳なかった」

「あ……えっと」

「聖女として歴史に名を残す功績を立ててもらったのが記憶に新しく、再び瘴気の問題が起こった時に真っ先にセーラ殿の顔が浮かんだのだ。まさか力を失っているとは思わなかったが……」

「……申し訳、ございません」

「いやすまない。セーラ殿を責めたいわけではないのだ。ただ、頼みの綱がなくなりどうしたものかと思案していてな」


 王様もかなり困っている様子だったけれど、力のない私にはどうすることもできない。


「あの……恐れながら、質問してもよろしいでしょうか」

「なんだ、言ってみなさいセーラ殿」

「……私には今、以前のような聖女としての力はございません。そのため、ドラムトン王国のために私ができることは何もないのが現状です。そうなると……私はこれから、一体どうなるのでしょうか」

「うむ。もっともな話だ。それも思案しているところでな。セーラ殿は今力を失っているとはいえ、この国では偉大な聖女であり救世主だ。力が無くともそれ相応の待遇は保証するつもりだから安心しなさい」

「……はい。ありがとうございます」


 相応の待遇、か。やはり日本にすぐに戻ることはできないのだろう。
< 13 / 45 >

この作品をシェア

pagetop