再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
「セーラ様。今日はゆっくりお過ごしください。こちらで調べてみます」

「はい……」


 不安でいっぱいの中、ベッドで横になっているとミレアがやってきて。


「セーラ様。王国騎士団のロード殿下から、お手紙が届いているのですが……」


 と遠慮がちに封筒を差し出してくれた。


「ロード様、から?」


 ミレアに身体を起こしてもらい、封を開けて中の手紙を取り出す。

 アレン君に習い始めたとは言え、まだ読めるものはそこまで多くない。正直理解できるか不安だったものの、ロード様は簡単な言葉を使ってくれているらしく私にも理解できるところがあった。


「元気……魔力……文字の勉強は……無理せず……」


 それでも全部を読むのは難しくて、ミレアに代わりに読んでもらう。


「セーラ。元気か? こちらは魔獣の討伐で日々忙しいが、怪我もなく無事に過ごしているよ。魔力はどうなったかな。神殿の情報はあまり王宮には届かない。派遣されている騎士団にはもっと届かないから、今セーラがどういう状況なのかがわからないんだ。だからとりあえずこちらが無事だということを伝えておく。文字の勉強はどうだ? この手紙もまだ完全には読めないだろう。返事もいらないから、無理せず過ごすといい。落ち着いたらそのうち会いに行く。……とのことです」

「ロード様っ……」


 まだ読めない手紙を受け取り、胸に抱く。

 魔力の問題が解決しないと、本当に二度とコミュニケーションが取れなくなってしまうかもしれない。だからと言ってアレン君の負担も増やしたくないし、自分で頑張るしかない。


「返事、しないと……」


 返事はいらないと書いてあったようだけど、そういうわけにもいかない。むしろ文字を書く練習になるだろう。アレン君を呼んで、文章を考えながら丁寧に書いていく。

 女神様へのお祈りで魔力が馴染みやすくなったこと。だけど今日急におかしくなってしまったこと。もしかしたら、魔力を譲渡してもらうことができなくなってしまうかもしれないこと。でもセイロン様が調べてくれているから心配しないでほしいこと。アレン君という友達ができたこと。文字を教えてもらっていること。ロード様が無事で安心したこと。

 書きたいことは山ほどあったけれど、抜粋してそれだけを書いてミレアに託す。

 それを終えると、布団に潜り込んで早めに眠った。
< 22 / 85 >

この作品をシェア

pagetop