再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
「私っ、ここにまた召喚されたって気付いた時、ものすごくショックでっ」

「うん」

「また一年経って戻ったとしても、またあんな日々が待ってるのかと思ったら、怖くてっ」

「うん」

「お母さんのこととかっ、今までのこととかっ、全部思い出しちゃって……私の人生、めちゃくちゃにされたのにまたって、思っちゃって……王様をっ、恨んでるっ……私がいてっ……」

「……うん」


 こんなことまで言うつもりはなかったのに。ロード様の腕の中が心地良くて。安心してしまって。全てをぶちまけてしまう。


「王様を恨んだって、何も変わらないことはわかってる。きっとこれが私の運命なんだって、そんなのわかってるっ! だけど、だからってそれに納得はしたくなくて。国を助けなきゃいけないのはわかるんです。私にしかできないことがあるって、わかってる。みんなが頼りにしてくれてるのもわかってる。だけど私は、どうしてもお母さんのことを思うとっ……」

「……うん。そうだよな。大切な人を亡くしたんだ。そうなるのが当たり前だよな」

「っ……」

「セーラに再会した時、すごく大人っぽくなったと思ってた。いや、実際に大人になってた。だけど、本当は違ったんだよな。……大人にならなきゃ、生きていけなかったんだよな」

「っ……うっ、あああぁっ……」

「たくさん泣こうな。思ってること全部言おう。ちゃんと受け止めるから」


 ロード様は、それからしばらくの間、ずっと私のことを抱きしめて泣かせてくれた。

 いつのまにかリゼも私を側にいて、ロード様と代わるように抱きしめてくれる。


「セーラ様。私は、セーラ様の味方です。セーラ様がどんな答えを出したとしても、私はセーラ様の気持ちを尊重します」

「リゼ……」

「俺も。セーラの気持ちが一番大事だ。国のことは……俺がどうにかする。瘴気のことだって、無理に背負う必要はない。神官にも多少の浄化はできる。元の世界を思い出してつらいなら、無理することはない」


 二人とも、こんな話を聞いても引かずに慰めてくれて、励ましてくれて。私の気持ちを全部受け止めてくれた。
 それが本当に嬉しくて、感謝でいっぱいで。

 何かが解決したわけではない。まだ考えないといけないことがたくさんある。

 だけど、私は今一人じゃない。ひとりぼっちじゃないことを教えてくれた。


「ロード様、リゼ。本当に、ありがとう……」


 涙を拭きながらそう笑うと、二人も笑い返してくれた。
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