再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
***

 数日後。私は王様から正式に依頼を受け、ロード様率いる王国騎士団、そしてセイロン様率いる神官と一緒に、瘴気の浄化への向かうことになった。


「セーラ様。どうかお気を付けて」

「ありがとうリゼ。また戻ってきたら一緒にお茶してね」

「もちろんです。どうか無事にお戻りになるよう、お祈り申し上げます」

「ありがとう。行ってきます!」

「行ってらっしゃいませ」


 リゼに見送られ、私はロード様とセイロン様と一緒に、転移魔法陣に歩み寄る。


「セーラ様、転移は大丈夫ですか?」

「はい。もう慣れました」

「わかりました。でも、危険なのでよろしければお手を」

「ありがとうございます」


 セイロン様の手に自分の手を添えると、反対隣からロード様のものすごい視線を感じる。


「ロード様?」

「……俺も。危ないからな」

「? ありがとうございます」


 ロード様も手を差し出してくれて、結局両手を支えてもらう。


「いいか。最初はベルゼの街だ。一番瘴気が濃くて魔獣の報告もある。先に行った部下によると、瘴気が徐々に広がり始めているらしい。二人とも、気を引き締めて」


 ロード様の声に頷くと、そのまま三人で一緒に転移魔法陣に足を踏み入れた。

 目を開くと、目の前はすでに瘴気でいっぱいだった。


「くそ……ここまで瘴気が広まってきてる。魔獣がすぐ近くまで来てるかもしれない! セイロン! セーラをしっかり守れ!」

「承知しました!」


 ロード様は私の頭をそっと撫でてから、瘴気の中へと走っていく。すぐに剣を振る音が聞こえてきて、魔獣が現れているのがわかった。


「セーラ様。浄化を急ぎましょう」

「はい!」


 神経を研ぎ澄ませて、瘴気の源を探す。黒いモヤは王都の時よりも濃く、見えにくい。

 ロード様の剣の音を聞き、魔獣が出てくる地点を追っていく。


「……見つけた」


 そして源を見つけ、


「南の方向です! いきます。……浄化!」


 魔力を細く長くして源に向かって放つ。それをサポートするように、セイロン様や神官たちも浄化を放ってくれて、辺りは大きな光に包まれた。


「まだです! まだ続けて!」

「はい!」


 しばらく浄化魔法を放っているものの瘴気はやはり濃く、なかなか薄まってくれない。もっと魔力を強くしないと。

 ……女神様。どうかお力をお貸しください。

 頭の中で祈りながら手に力を入れると、急に手が熱を持ち浄化魔法が強く広がる。


「え……!?」


 自分でも驚いているうちに辺りのモヤが晴れ、無事に浄化が完了していた。
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