再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
「そして、今のドラムトン王国のおうさまがこちらです!」


 バン!と勢い良く見せてくれた王様の似顔絵。その横にはロード様や他の王子殿下の姿もあり、皆そっくりに描けててそっちに目がいってしまう。


「すごい! 上手!」


 ロード様がとってもかっこいい。特徴が捉えられていてすごく上手だ。


「セーラさま、しゅうちゅうしてください!」

「はい! ごめんなさい!」


 普通に叱られてしまい、苦笑いしながら授業に戻る。

 王族についての説明をされ、今度は神殿についての説明が始まった。


「セイロンさまは、王都のしゅっしんです。でも、ちがう人もおおいです」

「例えばどこの出身なんですか?」


 聞くと、たくさんの地域の名が上がる。どうやら神官というものは、各地から魔力が高い者が集められたり、身寄りを失った者が流れ着いたりとその理由も様々あるようだ。


「カイエンさまも、みよりがなくマリョクがつよいことから神殿にやってきました」

「そうなんですか?」

「はい。えっと、どこだったかな……」


 そうか、カイエン様も身寄りが無く流れ着いたのか……。

 だから同じく一人の私にも最初から良くしてくれたのだろうか。そう思いながらカイエン様の出身地を探すアレン君を見る。しかし。


「そう! ここです!」

「……え?」


 その指差された先は、見覚えがありすぎる名前で。


「そうだハリス! カイエンさまは、ハリスという町からやってきたそうですよ」


 ……胸がキュッとなって、言葉を失う。


「ハリスではいちばんの魔法のツカイテだったそうです!」

「ま、まさか……」


"……そうでなければいいのにと、思っているので"


「セーラさま? どうしました?」


"私たちの周りに、いるかもしれない……っていう、ことですか……?"


「まさか、そんなわけ……」


 にわかに信じられない仮説が、頭の中で組み立てられていく。


「そんなことって……」

「セーラさま? だいじょうぶですか?」

「み、ミレア! ロード様とセイロン様に至急連絡を取りたいんだけど、どうしたらっ……!」

「殿下とセイロン様ですか? つい先ほど出立したと連絡がありましたから、お戻りになるまで難しいかと……」


 どうしよう。どうしよう!


「大変だ……どうしようっ、ミレアっ……」

「いかがなさいました!? アレン! セーラ様に何を言ったの!?」

「なにもいってないよ! 国のことと、神官さまたちのはなしをしてただけだよ!」


 パニックになる私と、そんな私を心配するミレアとアレン君。

 だけど、どうすることもできなくて。


「そうだ、王様……、ミレア、王様に謁見したいんだけど!」


 気が付けば、そう叫んでいた。
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