再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
***
「セーラ殿、いかがした?」
「突然の申し出にも関わらず、お時間をいただいて申し訳ございません」
「気にしなくていい。して、どうしたんだ。そなたがそこまで慌てるということは、余程のことなのであろう?」
そう言われて、まだ憶測の域に過ぎないことに気が付く。
言っていいものなのか。言葉にしてしまっていいのだろうか。もし違ったら? たくさんの人に迷惑をかけてしまうのでは?
そう思ったら急に怖くなってしまい、言葉が何も出なくなってしまう。
そんな私を見かねて、
「間違いも勘違いも悪いことではない。どんな些細なことでも、何か気がついたのであればそれを共有することが大切だ。今そなたが言おうとしていることが正しいのかどうかはこちらが判断する。だから安心して話しておくれ」
全てを見透かしたように微笑んだ王様が、私を促す。
その言葉に少し勇気が湧き、一度大きく息を吸ってから
「あの! ……恐れ多くも、お人払いをお願いしたく思います!」
「……ほぉ? それはまた、何故」
「瘴気について、どうしても王様にだけお伝えしたいことがあるのです。ただ、それはまだ憶測の域に過ぎず、間違いだった場合、たくさんの人にご迷惑をおかけしてしまうからです」
「……それで?」
「ですので、王様にお伝えして……王様にその判断を仰ぎたく思います」
とんでもなく生意気なことを言っている自覚はある。だけど、この仮説が本当だったら、大変なことが起こってしまいそうだから。
もし違ったら。そう考えて黙っているよりも、今は相談して指示を仰ぐ方が賢明だと思った。
王様にもそれが伝わったのか、
「皆の者、下がりなさい」
そう指示してくれて、王様と私だけがその場に取り残される。
「さあセーラ殿。これでいいだろう。その憶測というものを、ぜひ話してくれないか」
身を乗り出してくる王様に、一度大きく頷いた。
「うまく説明できる自信がないので、私の仮説の結論から申し上げてもよろしいでしょうか」
「うむ。よかろう」
「……一連の瘴気に関する事件に、……神官である、カイエン様が関わっている可能性があります」
言葉にすると、一気に空気が変わったような気がした。
「……その理由は?」
「ロード殿下とセイロン様と話し合いをしていく中で、裏で誰かが操っているのではないかという仮説がたちました。そしてそれは、私たちの近くにいるのではないかという説が有力でした」
「それはわしも知っている。それで、なぜそこでカイエンの名が出てくる?」
「……カイエン様が、ハリスの出身だからです」
王様は、一瞬目を見開いた後に
「なるほど……」
と何かを考えるように呟いた。
「ハリスの出身ということはあの魔石について何かを知っていてもおかしくないと思いました。また、私たちの一番近くにいたため、私たちの行動の把握も容易です。身寄りがなく、ハリスで一番の魔法の使い手だったとも聞きました。その魔力の高さ故に彼は信頼されている神官ですので、瘴気の調査のためだと言えばハリスへの行き来も自由かと」
「そうか、カイエン。カイエン・フォードか……」
その言い方に含みがあるような気がして王様の顔を見る。
「ありがとう。全てが繋がったやもしれん」
「え?」
「カイエン・フォード。その名をどうして忘れていたのか。フォードと言えば、千年前の戦争時。……瘴気を作り出した、張本人の名前だ」
その言葉は、聞き間違いかと思うほどの衝撃だった。
「セーラ殿、いかがした?」
「突然の申し出にも関わらず、お時間をいただいて申し訳ございません」
「気にしなくていい。して、どうしたんだ。そなたがそこまで慌てるということは、余程のことなのであろう?」
そう言われて、まだ憶測の域に過ぎないことに気が付く。
言っていいものなのか。言葉にしてしまっていいのだろうか。もし違ったら? たくさんの人に迷惑をかけてしまうのでは?
そう思ったら急に怖くなってしまい、言葉が何も出なくなってしまう。
そんな私を見かねて、
「間違いも勘違いも悪いことではない。どんな些細なことでも、何か気がついたのであればそれを共有することが大切だ。今そなたが言おうとしていることが正しいのかどうかはこちらが判断する。だから安心して話しておくれ」
全てを見透かしたように微笑んだ王様が、私を促す。
その言葉に少し勇気が湧き、一度大きく息を吸ってから
「あの! ……恐れ多くも、お人払いをお願いしたく思います!」
「……ほぉ? それはまた、何故」
「瘴気について、どうしても王様にだけお伝えしたいことがあるのです。ただ、それはまだ憶測の域に過ぎず、間違いだった場合、たくさんの人にご迷惑をおかけしてしまうからです」
「……それで?」
「ですので、王様にお伝えして……王様にその判断を仰ぎたく思います」
とんでもなく生意気なことを言っている自覚はある。だけど、この仮説が本当だったら、大変なことが起こってしまいそうだから。
もし違ったら。そう考えて黙っているよりも、今は相談して指示を仰ぐ方が賢明だと思った。
王様にもそれが伝わったのか、
「皆の者、下がりなさい」
そう指示してくれて、王様と私だけがその場に取り残される。
「さあセーラ殿。これでいいだろう。その憶測というものを、ぜひ話してくれないか」
身を乗り出してくる王様に、一度大きく頷いた。
「うまく説明できる自信がないので、私の仮説の結論から申し上げてもよろしいでしょうか」
「うむ。よかろう」
「……一連の瘴気に関する事件に、……神官である、カイエン様が関わっている可能性があります」
言葉にすると、一気に空気が変わったような気がした。
「……その理由は?」
「ロード殿下とセイロン様と話し合いをしていく中で、裏で誰かが操っているのではないかという仮説がたちました。そしてそれは、私たちの近くにいるのではないかという説が有力でした」
「それはわしも知っている。それで、なぜそこでカイエンの名が出てくる?」
「……カイエン様が、ハリスの出身だからです」
王様は、一瞬目を見開いた後に
「なるほど……」
と何かを考えるように呟いた。
「ハリスの出身ということはあの魔石について何かを知っていてもおかしくないと思いました。また、私たちの一番近くにいたため、私たちの行動の把握も容易です。身寄りがなく、ハリスで一番の魔法の使い手だったとも聞きました。その魔力の高さ故に彼は信頼されている神官ですので、瘴気の調査のためだと言えばハリスへの行き来も自由かと」
「そうか、カイエン。カイエン・フォードか……」
その言い方に含みがあるような気がして王様の顔を見る。
「ありがとう。全てが繋がったやもしれん」
「え?」
「カイエン・フォード。その名をどうして忘れていたのか。フォードと言えば、千年前の戦争時。……瘴気を作り出した、張本人の名前だ」
その言葉は、聞き間違いかと思うほどの衝撃だった。