再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
ハリスにたどり着き目を開けると、やはり辺りは瘴気だらけで視界が悪い。だけど、前回と違う点は目の前に道が見えるということだ。
そこだけ瘴気が晴れていて、意図的に作られた道なのがはっきりとわかる。
……呼ばれている。
おそらくカイエン様は、私が一人でこのハリスにたどり着いたことに気が付いているのだろう。
誘われるがまま、私は前に進む。
どれくらい歩いたか、目の前には大きな山が広がっており、道の先に大きな洞窟のような入り口があった。
「この先が……魔鉱山……」
入り口は真っ暗で、空気が重い。その周りには手を出すことができずにいる騎士団の方や神官たちがいて、私に気が付くと
「聖女様!? なりません! 早く王宮にお戻りください!」
と叫んでくる。
「嫌です! ロード様とセイロン様を助けるまで、私は帰りません!」
だけど、ここに来た時点で、帰るという選択肢は私の中にはもう無いのだ。
「しかし入り口には瘴気でできた結界が張られています! 手も足も出ないのです!」
「……カイエン様」
だから誰も二人を助けに行けないのか。それを理解して制止する声を無視して振り切る。
入り口の前に立つと、するすると一瞬で瘴気が晴れて景色が変わった。
「な、にこれ……」
足を踏み入れると、そこはさっきまでの真っ暗な空気ではなく、キラキラと青や紫、ピンク色に輝く鉱物で溢れていた。
これが魔石というものなのだろうか。加工前の原石を見るのはこれが初めてだ。
しかし、目を奪われている暇は無い。
後ろを振り向くとすでに結界が復活していて、私まで閉じ込められたようだった。
「セーラ様。来ていただけたんですね」
「カイエン様……!?」
どこかから響いてくるカイエン様の声。
「そのまま奥まで進んでください。大丈夫。魔獣は出ませんから」
ぐ、と拳を握って、その言葉を頼りに前へ進む。
キラキラとした洞窟の中は、目が眩んで何度も転びそうになった。
だけど、どうにか足を進めること十五分ほど。
「……カイエン様!」
ようやくたどり着いた場所は、とても広い空間だった。
真ん中にカイエン様が立ち、その下には拘束されて倒れているロード様とセイロン様の姿。
「ロード様! セイロン様!」
駆け寄ろうとすると、目の前に何か壁ができて遮られた。
「おっと、セーラ様。あなたを近づかせるつもりはありません」
どうやらカイエン様の魔法のようで。
「大丈夫。二人は無事です。少し眠ってもらっているだけですから」
いつもみたいに優しく微笑むカイエン様に、私は何も言えずに従うしかなかった。
カイエン様の近くに行くと、それはそれは嬉しそうに微笑むから息が止まる。
「お待ちしておりました。聖女、セーラ様」
その笑顔は、怖いくらいに綺麗で。背筋が凍る。
それなのに、その目には全く光が宿っていなかった。
そこだけ瘴気が晴れていて、意図的に作られた道なのがはっきりとわかる。
……呼ばれている。
おそらくカイエン様は、私が一人でこのハリスにたどり着いたことに気が付いているのだろう。
誘われるがまま、私は前に進む。
どれくらい歩いたか、目の前には大きな山が広がっており、道の先に大きな洞窟のような入り口があった。
「この先が……魔鉱山……」
入り口は真っ暗で、空気が重い。その周りには手を出すことができずにいる騎士団の方や神官たちがいて、私に気が付くと
「聖女様!? なりません! 早く王宮にお戻りください!」
と叫んでくる。
「嫌です! ロード様とセイロン様を助けるまで、私は帰りません!」
だけど、ここに来た時点で、帰るという選択肢は私の中にはもう無いのだ。
「しかし入り口には瘴気でできた結界が張られています! 手も足も出ないのです!」
「……カイエン様」
だから誰も二人を助けに行けないのか。それを理解して制止する声を無視して振り切る。
入り口の前に立つと、するすると一瞬で瘴気が晴れて景色が変わった。
「な、にこれ……」
足を踏み入れると、そこはさっきまでの真っ暗な空気ではなく、キラキラと青や紫、ピンク色に輝く鉱物で溢れていた。
これが魔石というものなのだろうか。加工前の原石を見るのはこれが初めてだ。
しかし、目を奪われている暇は無い。
後ろを振り向くとすでに結界が復活していて、私まで閉じ込められたようだった。
「セーラ様。来ていただけたんですね」
「カイエン様……!?」
どこかから響いてくるカイエン様の声。
「そのまま奥まで進んでください。大丈夫。魔獣は出ませんから」
ぐ、と拳を握って、その言葉を頼りに前へ進む。
キラキラとした洞窟の中は、目が眩んで何度も転びそうになった。
だけど、どうにか足を進めること十五分ほど。
「……カイエン様!」
ようやくたどり着いた場所は、とても広い空間だった。
真ん中にカイエン様が立ち、その下には拘束されて倒れているロード様とセイロン様の姿。
「ロード様! セイロン様!」
駆け寄ろうとすると、目の前に何か壁ができて遮られた。
「おっと、セーラ様。あなたを近づかせるつもりはありません」
どうやらカイエン様の魔法のようで。
「大丈夫。二人は無事です。少し眠ってもらっているだけですから」
いつもみたいに優しく微笑むカイエン様に、私は何も言えずに従うしかなかった。
カイエン様の近くに行くと、それはそれは嬉しそうに微笑むから息が止まる。
「お待ちしておりました。聖女、セーラ様」
その笑顔は、怖いくらいに綺麗で。背筋が凍る。
それなのに、その目には全く光が宿っていなかった。