恋愛する気はなかったのに、年下の彼に甘やかされてます
プロローグ
「んっ…はぁっ…あっ…」
彼が起こす律動に
ただ身を任せてしまう。
窓はうっすらと熱気で曇り、
外と室内の温度差がわかる。
自分の感情に抗えず、
離れがたいと思ってしまう。
彼の温もりに触れるたび、
少しずつ力が抜けていく。
口から自然と吐息が漏れる。
真っ直ぐに見下ろす彼の視線は熱く、
離さないと言わんばかりに
キスが降ってくる。
絡み合う吐息が、
途切れない。
「くっ…もう…」
低く切羽詰まった声。
額に滲む汗が、
その熱を物語っている気がして、
少しだけ可愛く見えた。
――――
あの頃の私は、
こんな風に、
この人の腕の中で
安心に包まれながら
溶けてしまう
夜が来るなんてーー
知らなかった。
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