恋愛する気はなかったのに、年下の彼に甘やかされてます
敵わない
ーーけいsideーー


「社長、こちら次の物件資料です」

「……ん」

デスクに置かれた資料。

都内新規開発案件。

立地。

収支。

テナント候補。

淡々と目を通していく。

「こっちの駐車場導線、弱いな」

「え?」

「ファミリー層狙うなら使いづらい」

「……修正します」

部下が慌ててメモを取る。

「あと、ここの飲食テナント」

「はい」

「ピザいらねぇ」

「え?」

「競合多い」

「……承知しました」

淡々と話しながら、

スマホが震える。

画面を見る。

〈真奈〉

思わず口元が緩んだ。

"颯斗が明太子全部食べた"

添付された写真には、

空っぽの容器。

「……クッ」

「……社長?」

「いや、なんでもない」

「今、笑いました?」

「気のせいだろ」

あぶねぇ。

ったく。

笑わせんなよ。



ふと、

『ただいま』

って飛び込んできた姿が浮かぶ。


……。

「……やべぇな」

「やべぇですか。見直します」

……。

「頼んだ」
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