親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
居酒屋を出ると、悠真は私の肩を抱き寄せた。

「佐伯、今夜は俺が美桜を送るから」

佐伯さんは黙って頭を下げた。

「お願いします」

そう言って佐伯さんは背中を向けた。

「佐伯さん」

私は悠真の腕を振り払うと、佐伯さんに近づいた。

このまま帰すなんて、そんなの可哀想だ。

「今日は、ありがとうございました」

「白石さん……」

「誘ってくれて、本当に嬉しかったです」

すると佐伯さんは、ニカっと笑った。

「また今度、誘います」

「はい、ぜひ」

「今度は二人でデートしましょう」

私はクスっと笑った。

「はい」

「白石さん、俺」

私は顔を上げた。

「いつかあなたを、美桜さんって呼べる日が来たらいいなって、思っています」

そして佐伯さんは、手を上げて行ってしまった。
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