親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
「なんで、そんなこと分かるのよ」

「俺がそうだったから」

私はゴクンと息を飲んだ。

「女に告白されて、それでも心動かなくて。でも人恋しくて付き合って。でもやっぱりうまくいかないんだ」

「それは悠真が……」

私は手をぎゅっと握りしめた。

「何?」

「……本気で人を好きになったことないからでしょ」

その瞬間、悠真に抱きしめられた。

「美桜、俺……」

そしてタクシーがスーッと停まる。

「お客さん、着きましたよ」

「ありがとうございます」

悠真は私から離れると、タクシーの外に出た。

「美桜、じゃあおやすみな」

思わず再びタクシーに乗る悠真の腕を掴んでしまった。

「ねえ、悠真。少し家に寄っていかない?」

「え?」

「さっきの俺……の続き、聞きたい」

そう言うと悠真はタクシーの料金を支払った。
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