親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
何も言わずに、悠真は私の後ろを歩く。

エントランスに入って、エレベーターに乗ると私の手をぎゅっと握りしめた。

「悠真」

「うん……」

エレベーターを降りると、部屋のカギを開けた。

「散らかってるけれど、遠慮しないで」

「そんなの分かってるよ」

悠真は部屋の中に入ると、ジャケットを脱いだ。

「ああ、シワになるといけないから、ハンガー貸すね」

「ああ」

そして私は悠真のジャケットを、ハンガーにかけて近くの壁にかけた。

悠真がこの部屋を訪れるのは、初めてじゃない。

酔った私を、部屋まで送ってくれたことなんて、たくさんある。

でも、今日は違って見えた。

「水、持ってくるね」

キッチンに行くと、悠真に後ろから抱きしめられた。

「美桜。今まで俺が馬鹿だった」

「悠真?」
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