親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
梨花は知らないの?って顔をしている。

「え?」

「神崎さんの事、狙ってるらしいよ」

私は目をぱちくりさせた。

「悠真のことを?」

「結構、可愛いっていう噂だから。気を付けた方がいいよ」

梨花はニヤニヤしながら、仕事に戻った。

今の悠真を見て、安西さんを取るとは思わないけれど。

でもでも。

なぜか胸の奥がすっきりしなかった。

そして、午後になって休憩に入ろうとした時だった。

廊下の陰に、悠真の姿を見つけた。

「悠真……」

話しかけようとして、ハッとした。

女性社員と一緒だからだ。

しかも相手の女性は、モデルかと見間違えるほど可愛い。

「あの、安西さん」

その一言で、私は廊下の影に隠れた。

あれが悠真を狙っているという、安西風香ちゃんなのか。

「気持ちは嬉しいんだけど、俺、彼女いるんだ」
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