親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
でもなぜ、見る目が違う方向に行ったのか、私には分からない。

すると後ろの席の女子社員が、私にウキウキ顔で話しかけてきた。

「白石さんって、神崎さんと付き合ってるんですか?」

「え?」

私は何て言ったらいいのか分からず、ああとだけ返した。

「神崎さんって、御曹司なんですよね」

「そうだよ」

「だとしたら、白石さんは将来社長夫人。なんか、仕事するの馬鹿らしくないですか?」

私は息が止まった。

そんな事を言う人がいるのか。

「多分さっきの人も、白石さんに仕事を任せるのが恐れ多いんですよ」

「そんなこと……」

ないと、はっきり言えなかったのはなぜだろう。

この前の一件で、私が悠真を大切にしていることは、皆に知られてしまった。

そして、私を抱きしめた悠真の、本気の気持ちも。
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