親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
皆、想像しているのだ。

どんなに私と悠真が懸命に仕事をしたとしても、所詮それは今だけのパフォーマンスだと。

いづれ、二人はこの会社のトップに立ち、自分達を見下ろす存在だと疑っているのだ。

その時だった。

「美桜、ちょっといいか」

悠真が私の腕を掴んで、廊下に連れ出した。

「何?急に」

こんなことをしたら、余計に皆の想像を掻き立てると言うのに。

「気にするなって言っても、美桜は黙っていられないだろうな」

悠真は真剣な声で、私を抑えようとしている。

「でもな。いくら言っても、あいつらは聞く耳持たないよ」

「うん」

「だったら、態度で示すしかないんだ」

私は顔を上げた。

「俺達はあくまで仕事をしているんだって、態度で分からせるんだ」

「悠真……」

悠真も悔しそうな顔をしていた。

「まさか、美桜までこんな思いをするなんて」

私は一体、悠真をどれくらい知っていたのだろう。
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