三角屋根の下で君と
ブルーでの出会い
『おい!コイツの髪の毛見てみろよ!ほんと、変なんだぜ?目の色も変わってやんの?』
家の近くの公園の砂場で、時間をかけて
作ったであろう砂山を数名の男子に勢いよく足で踏み潰されると、作ったであろう男の子は悲しくなり目に涙を浮かべる
成田 泱はイギリス人の父を持つハーフな為、幼き頃から見た目がまわりから浮いてしまっていた
髪や目の明るさだけならまだしも、並外れた美しい顔立ちは、近所に住む女子でも勝てないほどで、余計に男らしくないと思われたのだ
『また泣くのか?女みたいな顔してさ?男なら
一つくらい言い返して来いよな?』
1人では太刀打ち出来なくても数人集まり囲って虐めるのはどの時代になっても変わらない
泱は気弱な性格で、友達と呼べる子がなかなか出来なかったが、引っ越してきた団地の近くに大好きな砂場を見つけ1人で遊んでいたのだ
もうこんな思いをしてまでここの砂場で遊ぶのは嫌だ‥‥そう思っていた時、目の前の男の子達の叫び声に驚いて顔を上げると、自分の前に立つ小さな影に気付いた
「あんた達!弱いもの虐めして恥ずかしくないの!?次にこんなことしたらただじゃおかないから!」
その子が手に持つバケツの中身は空っぽのようで、すぐにこの子が彼らに水をかけたのだと分かる
『胡桃だ!!またお前かよ!!』
‥‥くるみ?
「何よ!勝負ならかかってきなさい!私は負けないんだから!」
『クソッ!空手やってて強いからって‥もう行こうぜ。バーカ!!』
身構える姿が逆光でより眩しく見える中、泱は幼いながらに胡桃と呼ばれる女の子をヒーローのように感じてしまった。
「ふん!‥‥さてと‥‥ねぇ、あなた、隣に引っ越して来た子でしょ?私は胡桃っていうの。あなたの名前は?」
泱の方を向いて座り込んだ女の子は、ニコッと笑うと泱の目に溜まった涙を自分の袖で拭いてくれた