三角屋根の下で君と
『ッ‥僕のこと‥気持ち悪くないの?』

泱は小さな両手で自分の頭を覆うものの、隠しきれず、それを見た胡桃は泱の両手を握って頭から離した

「こんな綺麗なのにどうしてそう思うの?よく似合ってるしカッコいいじゃん!いいなぁ‥私
なんて真っ黒だもん。」

泱は、満面の笑みで笑う女の子に、5歳ながらに生まれて初めての感情を抱いてしまった

僕より活発で明るくて強い‥‥。そんな女の子に憧れのような気持ちとは別に‥‥。

『た、助けてくれてありがとう‥‥僕は泱‥成田 泱だよ。来年になったらそこの盟和小学校に行くんだ。えっと‥く、胡桃ちゃんは?』

「盟和!?私も一緒だよ!!泱君‥ううん
泱!友達になろう!?あとはすぐ泣かないこと!男の子は泣いたらその場で負けよ?」

友達‥‥。僕にとって初めての友達だ‥

小さな手と握手を交わすと、胡桃が可愛い笑顔を泱に見せた。

『胡桃!何でそんなに泥だらけ‥‥あら?‥‥その子は確か‥』

「お母さん!隣に引っ越して来た泱だよ!同じ5歳!!小学校も一緒なの!」

2人で手を繋いで家に帰ると、服は泥で汚れ手足にも洗いきれていない泥が沢山残っていた

胡桃の母 望月 祐子は呆れた様子で笑いながらも、2人に玄関で待つように伝えると、温かいタオルで汚れた部分を綺麗に拭いてくれた。

『泱君‥だったね?胡桃はあんな感じだけど、正義感が強くて優しい子なの。仲良くしてくれると嬉しいな。』

知ってる‥‥
だってさっき自分よりも大きい男の子たちから僕の事を守ってくれたんだ。

泱はその事を言おうか迷ったが、胡桃がお母さんに気付かれないように口元に人差し指を当てていたのでやめて頷いた。

偶然同じ団地の隣に引っ越して来た泱が胡桃に出会ったあの日から、2人はあっという間に仲良くなった。
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