三角屋根の下で君と
『荷物はこれだけ?』

「う、うん‥でも本当にいいの?」

由美子と久しぶりに過ごせるのは嬉しいけれど、半ば強引な行動に家を出てからも胡桃はソワソワしていた

『悩みがあるんでしょ?』

ドキッ

車のトランクに荷物を載せてくれた由美子が笑顔で私にそう言うと、張り詰めていた気持ちが溶けていくように目に涙が一気に溜まる

誰にも相談出来ないのは、1番仲がいい人達の事だからこそ、胡桃は生きてきて初めて一緒に過ごす事の息苦しさを感じてしまっていた

いつもなら悩んでも泱か凛に悩みを聞いてもらっていた‥‥そのことが当たり前過ぎてこういう時にどうしたらいいか分からないのだ

『ほら、泣かないの。今日は美味しいものでも食べて』

『胡桃?』

ドクン

由美子が私の頭を撫でて慰めてくれていると、背後から聞こえた声に体が震える

『わっ!泱じゃない!!見ないうちにまた大きくなった!?』

『由美ちゃん!?えっ!?帰ってきてたんだ。
久しぶり!!』

私が背を向けていると、由美子がそれを隠すように泱と話し始め、その間に目に溜まった涙を慌てて拭ってゆく

『2週間こっちで過ごしたらまた東南アジアの方に行くよ。今日は胡桃と久しぶりにご飯に行こうってなってさ。』

『胡桃と?2人で?』

『うん、私の家にお泊まりするからさ』

『‥‥‥それ‥俺も行ったら駄目?』

えっ!!?

泱がいたら由美子姉に相談出来ない‥‥

お願いッ‥断って‥‥ッ‥‥

『泱はどうして来たいのか聞いてもいい?』
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