醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 ノイダン王国は資源が豊富で侵略価値があるので、レイディン帝国はたとえ遠方であっても欲しい土地なのだ。

 一方的な侵略をすれば国際的に非難が起きる故に、王家そのものを滅ぼしレイディン帝国が管理する状況に持っていく計画は進んでいた。
 そんな企みが既に前から始まっている事にも気が付かず、自分より賢い男を恐れず上手く使えると信じているのが怠慢も甚だしい。

「エリシア、本当に帰ってくるのがギリギリでハラハラしたよ。でも、結婚式は延期してよかった。その見窄らしい髪じゃ流石に格好がつかない」

 エリシアの髪に手を伸ばしてくるパトリスの手を彼女はそっと避けた。

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