醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「私に何があったか、貴方くらいの立場なら本当のことを知っていますよね」
 言葉を選ぶように問いかけると、リオネルは一瞬だけ視線を逸らした。

「ルナ王女殿下のことですね」
 その気まずそうな声に、エリシアは小さく息を吐く。

「いいわ。気を遣わないでください。もう、どうでもいいんです」
「どうでも、いい?」
「ええ。でも、パトリス王太子みたいなクズとは結婚しませんわ」

 はっきりと言い切った瞬間、リオネルは周囲を慌てて見回した。
 だが、音楽と人々のざわめきに会話は紛れている。

「お気持ちは、お察しします」
「貴方も、結婚では大変だったようですね」
< 134 / 234 >

この作品をシェア

pagetop