醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「二年前に離婚しました。アイリスは⋯⋯屋敷に籠もって大人しくしていると思ったら、使用人や馬丁と浮気までしていて」
「馬丁じゃありませんわ。庭師です」

 苦笑するリオネルにエリシアはきっぱりと言い返した。
(元妻の浮気相手が誰かも興味がないの?)

「それに、貴方も結婚したなら、妻を愛する努力をするべきだったと思いますわ。初夜は義務ですよ」

 エリシアの心に思わず、アイリスの感情が滲む。
 屋敷の主人である夫から放置されたアイリスは立場がなかっただろう。

 浮気は褒められた事ではないが、彼女がそこに至るまでの苦しみは理解できる。
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