醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 ーーブレイク。

 レイディン帝国から現れたというその男は、出自を辿ればただの平民だった。

 それにもかかわらず、彼は瞬く間に王城の中枢へと入り込み、国王ユーインと王太子パトリスの厚い信頼を得ていった。
 外交、軍事、経済。

 ブレイクの提示する案は、どれも的確で無駄がなく結果を出した。

「レイディン帝国は、ノイダン王国の敵ではありません。強い軍事力を持つ帝国と条約を結ぶことは王国にとって利益をもたらすでしょう」
 ブレイクは、穏やかな口調でそう語った。

 ノイダン王国は疲弊していた。
 資源が豊富であるが故に、常に隣国からの侵略の危機に瀕している。

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