醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
(エリシア、どこにいるんだ? どれだけ苦しんでいる? 君がどんな姿でも一緒にいたい)

 リオネルは、エリシアの弟のクリフと共に彼女を必死で探した。

 国外まで探したのに見つからず、絶望していた。
 まさか、彼女が一歩踏み入れると死ぬと言われている魔獣の森で暮らしているとは夢にも思わなかった。

 エリシア・クルーシーが王国から姿を消してから、九年の歳月が流れていた。

 王都は変わった。

 街並みは整えられ、治安も安定し、表向きには「平和」が保たれている。
 だが、その平和はどこか薄く、張りぼてのようでもあった。

 エリシアが消えてから九年が経ち、王国は一人の男を迎え入れていた。

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