醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 なぜそう言い切れるのか分からないが、今は彼の要件を聞くのが先だろう。

「エリシア様に関する事以外なら、やはり日を改めて欲しい」
 リオネルは今すぐ家に帰り一人泣きたかった。

 十年、必死にエリシアを探しても見つけられなかった。
 結果が全てだ。狂いそうな程の十六年にも及ぶ恋心が理解される事はない。

「聖女様に関する事です。手短に言うと、宰相殿の妹君にも関係する話ですね」
 ブレイクの言葉にリオネルは血の気が引く。
 ノイダン王国に来て一年でも、王国の中枢に関わるブレイクは知ってもおかしくない話だ。

「ルナ王女殿下がなされた事か?」
< 182 / 234 >

この作品をシェア

pagetop