醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「聖女を害した罪は?」
「ご存知でしょう? 極刑一択です」

 ブレイクの言葉にリオネルは頭が急速に冷えるのを感じた。

「少し待ってくれ」
 リオネルの嘆願にブレイクは首を振る。

「この事実を知った以上、私は直ぐにでも帝国に報告しなければなりません。明日の早朝には帝国のセドリック皇子殿下が到着します」

 リオネルは平和条約を締結に来た時の帝国の第三皇子セドリック・レイディンを思い出していた。
 一目で格が違うと思わせる洗練された姿と、決断の速さと人を見定める鋭い琥珀色の瞳。
 ブレイクを言いくるめたところで、きっと何かをけとられる。

「妹の命だけは助けられないだろうか⋯⋯」
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